続・会津大学のすすめ

会津大学の正門と磐梯山


注意事項

本記事は2019年4月から2024年3月の5年間、会津大学に学生として在籍していた人物の文章です。全ての文章は筆者の主観に基づいており、勘違いや誤りが含まれる可能性があります。 またこの文章は客観的な大学案内ではなく、一人の学生による会津大学に対する思いの吐露、という位置付けを前提に読んでください。 特に授業の質や教員に対する意見、学生生活の特定の側面に関する評価などは、他の学生によっては異なる見解が存在する可能性があります。 この記事を執筆した2024年3月19日以降、この記事の内容は古くなっていきます。適宜公式が提供する最新の情報を参照してください。



2024-03-21 誤った内容や誤解を招く表現があったので一部文章を修正をしました。 指摘をしてくださった方にはこの場を借りて感謝を申し上げます。



2024-03-24 私が執筆した関連記事のURLを追加しました。


はじめに

お久しぶりです。会津大学修士2年の新冨です。先日、博士前期課程の修了が決定し、晴れて修士号を獲得できることになりました。 自分は会津大学に2019年4月に入学し、2022年3月に飛び級で学士号を取得し2022年4月から2024年3月まで会津大学大学院の博士前期課程に在籍していました。 会津大学には学部と修士課程合わせて5年間お世話になりました。 飛び級に関する記事は別途こちらの記事でまとめています。

yutashx.hatenablog.com

本記事の目的と対象読者

会津大学の学生は技術系の記事を書くことは多いですが、学生の生態系に関する記事や役立つテクニックをまとめた記事はあまり多くないように感じます。 かつては有志による会津大学Wikiがあったようですが、今は廃れてしまいました。 私が学部を卒業する頃に書いた、学部生視点の「会津大学のすすめ」はこちらの記事になります。 余談ですが、自分が2年前、学部を卒業する間際に執筆した「会津大のすすめ」は毎年3〜4月頃にSNS等で拡散され、多くの方々に読まれているようです著者冥利に尽きます。

yutashx.hatenablog.com

本記事は、「会津大学のすすめ」から修士課程の2年間を経て、増えた知識や経験を加えて「続・会津大学のすすめ」という題にしました。 「会津大学のすすめ」の全ての項目について触れている訳ではないので、本記事と「会津大学のすすめ」を併読することをおすすめします。 本記事の目的は、等身大の会津大学生の内情を伝え、また読者の学生生活がより豊かになることです。

この記事は学問を志す人間向けに書いています。学位さえ取れれば良いという考えの学生が一定数いるのは理解していますが、私はそのような学生に否定的な立場で記事を執筆しています。 大学に入学したのであれば、私は、大学が提供するものを使い尽くし、知識・経験を積み、人脈を築くことで、学費の元を取るべきだと考えているからです。 対象読者は、会津大学への進学を考えている高校生、会津大学に在籍する学生です。

本記事の目次は次の通りです。

  • 会津大学の授業やカリキュラム
  • プログラミング言語
  • 会津大学のコンピュータの環境
  • 買うべきコンピュータ
  • 学生の質
  • 学生の住処
  • サークル
  • 就職活動
  • 学費の元を取る方法
  • 学生生活を豊かにするテクニック
  • おわりに

2024-03-24追記 会津大学大学院博士前期課程に興味がある方は、こちらの記事をお勧めします。

yutashx.hatenablog.com

本記事と上記の修士課程から外れたテーマに関しては、こちらの記事にまとめています。

yutashx.hatenablog.com

会津大学の授業やカリキュラム

キャンパスカレンダー

会津大学のキャンパスカレンダーは、1年を4学期に分割し、それぞれをQ1(クォーター1、1学期)、Q2、Q3、Q4と呼びます。 Q1は4月から6月中旬、Q2は6月中から8月上旬、2ヶ月弱の夏休みを挟んで、Q3は10月上旬から12月上旬、Q4は12月上旬から2月上旬、そして2ヶ月弱の春休みとなっています。 またQ1、Q2、夏休みをまとめた期間を前期と呼び、Q3、Q4、春休みをまとめた期間を後期と呼びます。 1コマ45分、多くの授業科目は1回あたり2コマ、多くの授業科目は1学期ごとに開講されること、科目ごとの単位数の違い、シラバスの読み方、水曜日は午後休みになりがち等の説明は割愛します。

u-aizu.ac.jp

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カリキュラム

会津大学の時間割は、順調に単位を取れば3年生の前期で殆どの授業単位を取り終えられるように組まれています。 2024年3月現在、会津大学の学部は、科目単位が120単位、卒論単位取得すれば、卒業、つまり学士号を取得することができます。

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1、2年生で努力をし、順調に科目単位を取っていった場合、1年生で50単位、2年生で96単位、3年生前期で120単位とれます。 そのため、この早さで科目単位を取った場合、3年生後期以降、授業を取る必要がなくなります。 学部2年生の後期に研究室を選択します。 選択した研究室によっては、指導教官により履修を推奨される科目があります。 1、2年生のときは、学年を6つのクラスに分割し、2クラスごとに1つの教室で授業を開講することが多いです。 そのため基本推奨科目のような履修者が多い科目は、同じ時期もしくは異なる時期で3回開講されることになります。 博士前期課程では、16単位の授業科目の単位、セミナー科目8単位、修士論文の単位を取れば博士前期課程を修了することができます。

会津大学のカリキュラムは、IEEEACMと呼ばれるコンピューターサイエンスの総本山とも呼べる学会が策定したカリキュラムに則って構築されています。

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カリキュラムは複数の授業科目から構成されており、会津大学の場合、大雑把には1〜2年生ではコンピューターサイエンスの様々な分野の概論、3〜4年生では分野ごとの専門科目を学ぶように構成されています。 2024年3月時点では、会津大学には必須科目はなく、履修することを推奨する基本推奨科目が設定されています。 基本推奨科目で基礎知識や技術を網羅的に身につけ、そこから専門性を積み上げるという形となっています。

授業やカリキュラムに対する私の考え

学生の中には「この基本推奨科目は履修放棄して良い」という主張を声高にする短絡的な思考を持つ学生がいますが、そのような学生の発言には注意しましょう。 ~この発言は、高々数年しか学んでいない学生が、その道の専門である教員方が練り上げたカリキュラムや授業の価値を真っ向から否定することを意味します。


2024-03-21の修正 全ての授業科目が「その道の専門家である教員方」が担当している訳ではないそうです。 授業科目によっては、非専門の教員が授業科目を担当することもあるそうです。 また本記事の初稿で私は、大学のカリキュラムを権威主義的な立場で肯定すると同時に、後述の文章で批判的な立場も取るというダブルスタンダードな主張をしていました。 そのため、今回の訂正で大学のカリキュラムに批判的な立場に主張を統一したいと思います。


確かに授業科目によっては教員の当たり外れがあります。 先ほど説明した通り、多くの基本推奨科目は、履修者が多いため、同じ授業が複数回、教員を変えて開講されることがあります。 そのため気に入らない教員がいる場合は履修放棄ではなく、受講するクラスを変更するといった対応をするのが望ましいでしょう。

一方で、会津大学のカリキュラムは欠点があると私は考えています。 私が思うに最も致命的な点は、研究室選択が2年生のQ3に行われるのに対して、基本推奨科目を取り終えるのが3年生のQ1であるということです。 学部2年生のQ3から学部3年生のQ1にかけては半導体設計論、論理回路設計論、コンピュータアーキテクチャ、OS論、オートマトンといった現代のコンピューターの本質と言っても過言ではない授業科目が開講されます。 そのような授業科目を受講している最中、受講前に研究室を決めなければなりません。 私はこのような状況は、コンピュータアーキテクチャ半導体設計論といった分野への潜在的に興味を持ちうる学生が、それに気づくことなく他の研究室を選ぶという、学生にとっての機会損失だと考えています。


2024-03-24追記 そのような意欲的な学生に向けて、おすすめのコンピュータ関連の書籍をまとめました。 興味がある方はこちらも読んでみてください。

yutashx.hatenablog.com


授業の難易度

会津大学では、日本語と英語が公用語として定められています。授業や学内メールでは、日本語と英語の併記、または英語のみでやり取りされることがほとんどです。 そのため、英語が苦手だと人は相当苦労すると思います。 学部2年生から3年生への進級にあたり、一定のTOEICの点数の獲得が進級条件として定められています。 私の記憶が正しければ2020年度は400点で、2023年度では450点が条件として定められているはずです(あまり自信がないです)。 今後もこの条件は厳しくなっていくはずです(かつて某学長は600点を目標としていました)。 私はセンター試験しか知らないので、センター試験を基準に話すと、センター試験で8割ほど取れているのであれば、英語に関する心配は不要でしょう。

プログラミング言語

C言語

会津大学は、C言語を最初に学ぶプログラミング言語として定めています。 C言語を最初に学ぶ言語として定めているのは、私は次の理由があるからだと考えています。

  • 開発されてから50年以上使われている
  • 非常に多様な分野で使われている
  • 非常に多くのライブラリが存在する
  • コンピュータの性能の限界を引き出すことができる
  • C言語の文法が他のプログラミング言語の文法に多大な影響を及ぼしている

長く使われ続けている技術は、「枯れた技術」と言われることがあります。 これは良い意味で使われており、枯れた技術は、バグが出し尽くされており、安定して運用できる実績があることが多いです。 またソフトウェアを効率的に実装する上で、ライブラリと呼ばれる汎用的な再利用可能なプログラムをまとめたものが使えることは非常重要です。 長く使われている言語はその分、その言語の資産とも呼べるライブラリが豊富に提供されています。

C言語はポインタを始めとするコンピュータのハードウェアを直接操作することができます(他にも理由があると思いますが、自分はこれしか知りません)。 そのためコンピュータを構成するプロセッサーやメモリといったハードウェアに成熟している人間が、コンピュータの性能を最大限に発揮させるためにC言語は欠かせない言語です。 一方で、私は、プロセッサーとメモリの関係、メモリ上のデータの配置構造、いわゆるコンピュータアーキテクチャを知らない段階で、ポインタを理解するはかなり難しいことのように感じます。 私自信、学部1年生のときはポインタ自体は使えるようになりましたが、なぜポインタが存在するのかはイマイチ理解できていませんでした。3年生のコンピュータアーキテクチャを学んだ時に初めてポインタの仕組みを理解できたという実感もあることから、そのように考えています。

趣味で学ぶプログラミング言語

趣味で学ぶべきプログラミング言語はどれか、という議論は大抵の場合不毛だと私は考えています。プログラミング言語は、言語ごとに得意な分野(組み込み機器、3Dゲーム、画像処理、Webページ、科学計算、データ分析など)があるので、やりたい分野をまず考え、そこから必要な言語を選択するのが良いと思います。 会津大学には、特定の言語を布教する人物がいますが、複数の言語を操った上でのその言語を布教しているのであれば信用して良いと思います。 その言語しか知らないのに、「○○言語が最強!」とだけ主張をしている人がいれば、その人とは距離を取った方が良いと考えられます。 視野が狭いと思います。

会津大学のコンピュータの環境

AINSネットワーク

会津大学にはAINSという大学内ネットワークが構築されています。 AINSネットワーク内には、1000台近くのLinuxマシンと数百台のmacOSを搭載したマシンが接続されています。 Windowsのマシン群は隔離された別のネットワークに存在します。 学生はSSH経由でそれらのにマシンにアクセスすることができます。 ほとんどのマシン間でユーザーのディレクトリを共有しているため、どのマシンにログインしても同一のファイルシステムを利用することができます。 興味がある方は会津大学情報ネットワークシステム運用管理 及び 教育研究環境整備業務仕様書と題された仕様書を読むと良いと思います。

SSHの重要性

私はSSHを制するものが大学のワークステーションの環境を制するという持論があります。 SSHの使い方を覚えることで、大学のネットワーク内にいるような環境をインターネットが繋がる限りどこでも構築することができます。 これは授業や研究の次のような場面で役に立ちます。

  • 大学のマシン内にあるファイルを自宅から編集できる(C言語の授業などに役立つ)
  • 回路設計用のCADアプリケーションを転送することで、自宅から回路設計ができる(論理回路設計の授業など)
  • Dynamic Port Forwardingを利用することで、自宅からIEEE ExploreやACM Digital Library にアクセスすることができる(研究で非常に役に立つ) blog.icttoracon.net

研究室内に自身のPCを置けるといった人は、個人のVPNを貼ることが可能です。 これは大学のファイアーウォールに穴を開けることになり、当然セキュリティリスクが伴います。 やる際には自己責任で行ってください。

買うべきコンピュータ

学生生活を送る上で、自分のコンピュータを一台持っておくと便利です。 便利ではありますが、なくても学生生活を送ることはできます。 会津大学の演習室は24時間空いているので、そこで授業の課題をこなせば問題ありません。 新入生であれば、配布されているPC選択の資料を参考にしてください。

学生の質

テストの点数、評定が高い人間が優秀と見做されていた高校までとは異なり、大学では多様な視点から学生を見ることができます。 コンピュータサイエンス全般に詳しい学生、語学が堪能な学生、高いGPAを取るのが得意な学生、ある領域に関して特化している学生、コミュニケーション能力が高い学生など会津大学には能力が持つ学生が、私の知る限り多数います。 稀にオールラウンダーのような学生もいます。

一方で、会津大学はそこそこの人数の学生が留年する大学でもあります。 私は、入学式のオリエンテーションで「ストレートで卒業できる人は学年の75%である。4人に1人は留年する」と当時の学生部長(だったはず)に言われました。 当時は冗談だろうと思っていましたが、実際そのようになりました。 留年と一言で言っても、必ずしも単位を取れなかったという負の要因だけではなく、留学していた都合で留年してしまったという場合もあります。


2024-03-21修正 留学した場合は、休学扱いになるはずなので、この文章は誤りです。 私の知る限り、留年が起きる条件は、単位を取れなかったことを含む進級条件を満たせなかった場合です。


会津大学単科大学であるため、転専攻といった逃げ道はありません。 「コンピュータに興味がないけど、共通試験の点数が低かったから受験する」と言った中途半端な気持ちで入学すると苦労するかも知れません。もしかしたら入学したことをきっかけにコンピュータに興味を持ち、覚醒する場合もあるかもしれませんが。

会津大学に入学してしまった学生に対する逃げ道は、退学か編入です。 時々会津大学から他の大学に3年次入学している学生がいるようです。


2024-03-21修正 本記事を執筆した当初、「逃げ」という表現には、会津大学のレベルの低さに呆れてよりレベルの高い大学に逃げるの意味合いも持たせてるつもりでした。 しかし、この表現では外部の大学に編入した学生に失礼である、という指摘を受けたため訂正したいと思います。 初稿の文章を受けて、気分を害した方がいれば申し訳ありません。 以下修正した文章になります。

会津大学に入学した学生が取る進路は、主に卒業、退学、編入のいずれかになります。


会津大学は、大学の規模の割に国際性が豊かなのは間違いないです。 学部の授業では、同じ授業でも教員によって日本語の場合と英語の場合があります。 大学院の授業は、ほとんどの場合英語で行われます(日本人の学生しか履修していない場合は日本語で行われる場合も稀にありますが)。 私は、学部1年生の頃、創明寮で暮らしていました。 私は、創明寮で多数の留学生と交流し、雑な英語を喋っても、意外と通じるという経験が得られ、英語で会話することに躊躇いがなくなりました。 創明寮についての記事はこちらを参考にしてください。

yutashx.hatenablog.com

研究室では、外国人の教員が主宰する研究室には留学生が集まりやすい傾向があります。 私の隣の研究室も外国人の教員が主宰する研究室で、多数の留学生と交流することができました。 私が所属していた研究室とその研究室と合同で行うゼミも当然英語で行いました。 発表資料や原稿も英語で行うため、最初の方は苦労しましたが、今はもう慣れました。 また卒業論文修士論文の発表もすべて英語で行います。 私の場合、普段のゼミから英語でやり取りをしているので、そこまで苦ではなかったのですが、慣れていない学生は、非常に苦労していそうです。

このような経験から某大学ランキングで評価されている国際性の高さは、嘘は言っていないと私は思います。 ただし、必ずしも日本人の学生が留学生と、外国人の先生と流暢にコミュニケーション取れているわけではないのが現状です。

学生の住処

この記事が分かりやすくまとまってます。 UBICに住人がいることを除いては自分の体感とも一致します。

soukouki.hatenablog.jp

サークル

会津大学には、技術力が人間の価値であるという、かなり偏った思想を持つ人間が生まれます(かつての私)。 また様々な人がいる場で内輪でしか通じないネタを発することで、場を凍りつかせる、興醒めさせる学生もいます。 技術サークルのみに属し、技術バイトのみやる人の場合は、それ以外の価値観の人と接する機会が少ないと思うので、気をつけた方がいいかもしれません。

一方で、会津短期大学の学生とサークル活動を共にすることで、異なる環境の人々と触れ合う機会が生まれます。そうした交流を通じて、適切な言葉遣いや振る舞い方を学ぶことができます。

就職活動

会津大学の学生は、キオクシアといった大手企業、LINEや楽天といったメガベンチャーAWS Japanといった外資に就職することがあります。 私の知る限り、多くの学生はSIer(System Integreter)として名の職に就きます。 私は、世間の言う「SIer」が指す仕事内容があまりにも幅広いと考えており、「コンピュータを使う仕事」以上の理解をできていません。 そのためここの説明は割愛します。

私は学部のときに就活はせず、修士1年のときに初めて就活をしました。 私の就活事情の詳細は、こちらにまとめています。

yutashx.hatenablog.com

例えば24卒(2024年度から就職する人のこと)の場合、2022年度時点での学部3年生や修士1年生が一般的に就活の対象学年となります。 私の感覚的には、早い人であれば秋頃から就活を始め、2022年内に内々定を取る人が出てきます。 そして殆どの学生が春休み前後で内々定を取る人を取ります。 一般的な就活は、2023年度の6月から就活解禁と言われていますが、情報系は分野柄か、私が知る限り、その時点で殆どの学生が就活を終えています。

私が聞いた限り、会津大学はコンピュータに強い人材を輩出する大学として社会から認識されているようです。 これは会津大学の一部の現役の学生と多くの卒業生の努力により得られた知名度だと私は考えています。 この知名度は、会津大学に属する/属していた人間ひとりひとりの努力が結実したものであると私は考えています。 そのため会津大学に入学したからと言って、そこで歩みを止めるのではなく、そこからの自己研鑽が重要になってくると私は考えています。 実際会津大学のカリキュラムをこなしただけでは、実践的なソフトウェアを作ることは難しいです。 これはコンピュータサイエンスと実務に差があるため、このような現象が起こります。 学生の中でもその差を自ら埋めることができる学生は非常に貴重な人材だと私は思います。

学費の元を取る方法

学費の元を取る方法は、人によって様々な捉え方があると思います。 私は、大学でしか提供できないことを使い倒すことが、最も効果的に学費の元を取る方法だと考えています。 具体的には、次の3つを十分に活用できれば元を取ることができると思います。

  • 教員やTAに質問したり議論すること
  • 回路設計用のCADを使用すること
  • 大学が契約している学術レポジトリにアクセスして大量に論文を読むこと

教員やTAに質問したり議論すること

まず教員とは何かについて説明したいと思います。 教授、上級准教授、准教授というのは肩書です。 そのためOO准教授」を「OO教授」というような本来とは違う肩書きで呼ぶのは誤りです。 多くの学生はこの辺りをあまり気にしないですが、本来は気にするべきです。 「OO先生」という表現は、肩書き関係なく使うことができます。 博士号を持っている、つまり世界でその分野に最も詳しい人間であることを意味しています。 教員であるからと言って必ずしも博士号を持っているわけではありません。 ~~ 研究室を主宰している教員は、博士号を持っています。 大学には、そのような博士号持ちの教員が多数います。 そのような方々は、大学外の講義をする際には、時給数万円になるそうです。 社会的にはそれくらいの価値がある人材としてみなされています。~~


2024-03-21修正 かつては修士号持ちで研究室を主宰していた教員もいたようです。 また教員の価値を時給換算の表現で価値の高さを分かりやすく表現しようとした結果、誤解を招く文章になりました。 以下修正した文章です。

多くの教員は、専門知識が深く、文章執筆やプレゼンテーション応力が高く、また国内外の学術会や産業界との交流を持っています。


大学に所属する学生は、そのような方々と、アポイントメントさえ取れば自由に議論できる環境が整っています。 また研究室に所属した際には、指導教官と闊達に議論できる場が設けられます。 そのような機会を有効に活用することが、学費の元をとる1つの手段だと、私は考えています。 またTA (Teaching Assistant)に質問することも同様です。

回路設計用のCAD

会津大学は、回路設計用のCADとしてCadence社のツールを導入しています。 噂によるとビジネスライセンスであれば、1本あたり数億円するらしいです。 会津大学には、そのライセンスが少なくとも100本近く(80人ほどの学生が同時に使用できる数はある)あります。


2024-03-21修正 実際の契約内容は知らないので、上述の内容は誤っている可能性があります。 以下修正した文章です。

会津大学には、学生が自由に回路設計用のCADを使える環境が整っています。


大学が契約している学術レポジトリにアクセスして大量に論文を読むこと

IEEE XploreやACM Digital LibraryはIEEEACMというコンピュータサイエンスを代表とする学会が運用する学術レポジトリです。 自分の理解では、IEEE XploreやACM Digital Libraryの契約は、その学術レポジトリ内の論文の閲覧権のことを指しています。 IEEE Xploreの場合、25本のfull-paper(25本分の論文と読み替えても問題ない)の閲覧権1人/1ヶ月辺り、$47 (約7000円)かかります。

https://www.ieee.org/membership-catalog/productdetail/showProductDetailPage.html

しかし、会津大学に所属する学生は、本数制限なく論文を読むことができます。

その他

まとめるとIEEE XploreやACM Digital Libraryにある論文を沢山読み、回路設計用のCADを使い、教員と議論することが最も良いと、私は考えています。 つまり回路設計寄りの研究室に行けば最も学費の元を取りやすいのではないのでしょうか(暴論)。 大学が提供する奨学金を受け取ることや大学の補助を使い留学へ行くこと、大学の施設を存分に使うことも、学費の元を取る手段の具体例だと思います。 また大学が契約しているOfficeのOneDriveの容量は1TBあるので、積極的に使用すると良いでしょう。

学生生活を豊かにするテクニック

講義とテストの時間割のカレンダーURLの入手方法

多くの学生が、時間割アプリをダウンロードし、自身の手で時間割を入力しているのを散見します。 しかしそのようなことは不要です。 大学側が、同じ機能を実現するカレンダーを提供しています。 学務システムから次のような手順で講義とテストの時間割が自動更新されるカレンダーのURL手に入ります。

学務システム→休講・スケジュール→カレンダー連携

このURLを普段使いしているカレンダーアプリにインポートすれば、自動で時間割が同期されます。

ELMSで設定されている課題の締め切りのカレンダーURLを入手する方法

ELMSで設定されている課題の締め切りのカレンダーURLも入手することができます。

ELMS→カレンダー→カレンダーをエクスポートする→カレンダーURLを取得する

おわりに

私が5年間の学生生活で得られた経験や知見の中で、他の学生にとって有用そうな内容を書き起こしました。 この記事を読んだ読者がより良いキャンパスライフを送れることを願っています。