就活を終えて
はじめに
会津大学大学院 修士2年の新冨です。 先日アップロードした会津大学大学院 修士1年を終えての記事で、就活については後日別の記事を書くと宣言したので、就活に関する記事を書きたいと思います。 私は、インターネット上の情報を参考にしたのであれば、自分も他の人の参考になる情報をインターネットにアップロードするべき、という思想を持っています。 ある種のgive and takeを成立させるためにこの記事を書きます。 この記事は、経歴、自己分析について、就活準備、内定獲得までの経緯、やっておいて良かったこと、参考になった本や記事から構成されています。 またこの記事を参考にするかどうかは自己責任でお願いします。 「これをやれば必ず内定を取れる!」とか銀の弾丸のような内容は書いてないので悪しからず。
経歴
プログラミングは大学に入学する前からやっていたが、Slackbotを作る程度で本格的にコンピュータを勉強し始めたのは大学に入ってからです。 大学の授業だけでは技術力が身につかないという意識があったため、ひたすら手を動かし、実際にコンピュターを動かすことで、OSやネットワークについて勉強していました。 このとき技術系のサークルには一切入らず、ひたすら独学で勉強し、趣味開発を行なっていました。 学部は飛び級(詳細は3+2(飛び級)のすすめを参照)し、そのまま会津大学の大学院に進学しました。 対外的な取り組みとしては、2022年3月に会津若松主催のデジタル未来アート展で、ARアプリの展示を行いました。 授業や研究が忙しいことを理由(言い訳)にインターンには行ったことがないです。
就活の目的と目標を定める自己分析
自己分析の方針
11月中旬から自己分析を始めた。本格的に自己分析をするにあたって、LabBaseに書いた自己紹介文(後述)をもとに、思いつくことをひたすら継ぎ足していきました。 移動中など他に考えることがないときは、結構な頻度で就活の目的や目標、自身の強みとは何かを考えていました。 ひたすら、なぜそう思うのか、なぜそれをやりたいと思うのかを考え続けた結果、なぜ今生きているのか、何を目的に生きているのかを考えるところまで行き着いた(哲学の領域に踏み込んだ気がする…)。 最終的に次のような項目を書きました。 - 自己紹介 - 自己PR - 研究 - 語れるエピソード - 将来像 - 企業の候補 - 逆質問リスト - 将来成し遂げたいこと - 生きる目的 - 企業に求めること
実際の自己分析の一部
実際に自分が書いた自己分析の一部をここに載せたいと思います。参考になれば幸いです。 1月末ににこれらの内容を書き終えた気がします。
企業に求めること
- Computer Scienceの知識を活かせる
- Computer Scienceについて他の人よりも意欲的に学習・研究してきた自負があり、またそれが自分の強みでもあると考えているから。
- 次世代のデバイスおよびプラットフォーム作りに関わりたい
- 社会に良い影響を与えられる
- ワクワクするもの * グローバルに展開する/しているか
- 海外に出ることで見識を広めたい、外貨を稼ぎたい
- 待遇の良さ
- プライベートで不自由しないお金と時間が欲しい
- 裁量権を早い段階で得られるか
- 考えることは増えるが、自由度が増し、より良い解にたどり着ける自信がある
- 専門性を身につけられるか
- 上記の条件を満たしていれば必然的につくと思うが、リスクヘッジとして、他の会社でも求められる専門性が欲しい
- 器用貧乏は嫌だ
- インフラ構築のノウハウ
- プロダクトマネジメント
- アプリケーションの設計など
- Computer Scienceの知識を活かせる
将来像
- エンジニアリングに対して深い理解をもつプロダクトマネージャー
- コードを書くのは好きだが、大学で自分よりも上手にコードを書ける人を沢山見てきたため、コードを書くのはそのような人に任せるべき
- スポーツや研究で個人とチームどちらでもやる機会があったが、チームの人がやる気があれば、個人よりも高い成果を出せることがわかった。
- チームをまとめることが得意
- 先読みする力が他の人よりある
- 積極的に発言する
- 他の人の立場になって考えられる
- ストレス耐性がある程度ある
- プロダクトの方向性
- プラットフォームの構築
- 多くの人に対して影響を与えることができる
- 個々のプロダクトでは効率が悪い
- 未来を感じさせるようなもの
- 教育
- 仕事の効率化
- 地方創生
- プラットフォームの構築
- エンジニアリングに対して深い理解をもつプロダクトマネージャー
このような形で自己分析をしており、自己分析を含む就活関連の情報は全てNotionにまとめて管理していました(Notionは学生プランあるからおすすめ)。 先日Notionの就活関連の文章の文字数を数えてみたところ、6万字になっていました(求人情報のコピペとかあるから、全て自分で書いたわけではないけど)。 就活は自分の人生を左右するイベントだと思っていたので、自分としてはこれくらいして妥当だと思います。
企業選択
職種としては、XRエンジニアとサーバーエンジニアの2つ就活することにしました。 3次元再構成やAR/VRアプリに非常に興味があったので、それらを仕事でできそうな職種であるXRエンジニアを志望しました。 一方でXRエンジニアは、そもそも最近できた職種で、求人枠があまりないと思っていました。 あったとしても大抵の会社は中途採用のみのようなところで、正直あまり望みはないと思っていました。 次に、自分はサーバーを動かすことが好きだったので、サーバーエンジニアとして志望することにしました。 サーバーエンジニアはXRエンジニアよりも間口が広く、新卒採用枠もそれなりにあると考えたからです。 これらの職種と先ほどの求める企業の要件を満たすところを、次のサービスやデータベースで探しました。
これらのツールを駆使し、10社ほどピックアップし、応募締め切りが早い順に出していきました。 いくつかの企業は自分の技術力や経歴に見合わないのではないか、と思った企業もありましたが、まあ新卒なんだし、行きたいと思ったところ出してみるか精神でエントリシートを出していきました。 ちなみにですが、大学が提供している就活サービスは一切使いませんでした。
就活準備
4月に研究室の先輩の勧めでLabBaseに登録し、プロフィール欄を埋めました。
夏休みに研究室から逃げ出したいと思い、本格的な就活をする前に、インターンで経験を積んでおく方が良いと考え、夏のインターンを申し込もうと思いました。
夏のインターンはR&Dで2社申し込んだが、どちらも落ちたので、結局夏休みは研究室にこもってました。
11月ごろに大学のキャリアプランの授業で、内定をもらった先輩の話を聞こうの会があったので、それに参加し、先輩の就活の実体験を聞けました(履修してなくても聞きに行けるから、みんなも行ったほうがいいよ)。
ちょうどこの辺りから本格的に就活を意識し始めた気がします。
エントリーシートについては、志望動機など全て一度自分で書き、ChatGPTに「私の就活の自己PR文です。評価し、10点になるように添削してください。(自分で書いた文章)」のような形で、採点し、問題点を指摘してもらう形で修正を繰り返していました。 就活の序盤では、最初に自分で書いた文章は7点ほどで、4往復やり取りを繰り返すことで、最終的に8〜9点になりました。 就活に慣れてきたあたりで書いた文章は、1発で8点を出せるようになり、自分自身ChatGPTの影響で、文章を書く能力が上がっている実感がしました。
また先の自己分析の内容で触れた「語れるエピソード」に関しては、ARアプリの展示や産学連携、ボランティア活動の内容等をまとめました。 この語れるエピソードを考える際には、あなたのクラウドキャリアの始め方:Blog #2 – 面接に向けた自分の強みの整理の技術や経験に関する質問にうまく答えるための準備方法がかなり参考になりました。いや参考になったと言うより、このフォーマットに従って書きました。
下記の質問を参考にしながら、あなたの経験をできるだけ詳しく書き出してみてください。 * その経験を通して、何を学びましたか?(ソフトスキル、テクニカルスキル) * どのような人たちと一緒に働きましたか?(チーム、外部顧客、請負業者など) * 様々な人たち共に活動した中で直面した課題は何でしょうか? そして、それをどのように乗り越えましたか? * どのような技術やツールを使いましたか? * どのように課題を解決し、成果を上げましたか? * その経験を通して得られた最も大きな成果はどのようなものでしたか? * そのプロジェクトは成功しましたか? 成功したかどうかをどうやって把握しましたか? * そのプロジェクトの中であなたは何を成し遂げましたか? そのプロジェクトの成功をどのように計測しますか? * その経験を最初からやり直せるとしたら、あなたはどこを改善・変化させますか?
これはどこの会社を受けても役立つ知識だつと思います。
内定獲得までの経緯
11月中旬から自己分析を始め、12月にエントリーシートを出し、1月に初めての面接を受けました。 とりあえずどこか受けてみるかと考え、LabBaseでスカウトが来た会社に申しみ、エントリーシートやコーディングテストをパスし、面接に臨みました。 初めてだったこともあり、非常に緊張し、要領の得ない回答をしたり、思いついたことを喋り、また研究内容をしっかり答えられず、面接している最中に「これは落ちたな」と実感しました。 実際落ちていました。 そこから1ヶ月は研究が忙しかったため、就活を一切しませんでした。 しかし、その間、ひたすら、なぜ前回の面接に落ちてしまったのか、どのような話し方をすれば良いのか、どのような振る舞いをすれば問題ないのか、家と大学を往復する間は考えていた。 またその頃すでに就活を終えた先輩がいたので、話を聞いたりし、参考にしました。
話を聞き、考え、文章に起こすことはしていたが、面接官と歯車が合えば問題なく話せる自信があったので、面接練習に関しては一切やりませんでした。
結局6社受けて、内定2社、辞退1社、選考落ち3社の結果になった。 内定を1つ目取れた時は、これで就職浪人生しなくて済むという安心感を持てました。 また第一志望は、企業に求めることををほとんど満たす会社から内定をもらえたので、非常に満足し、今までやってきたことが全て報われたという達成感に浸りました。
一方で、第一志望の会社からの内定連絡を受け取った後、すでに内定を出してもらっていた会社と選考中の会社それぞれに辞退メールを出す必要がありました。 これが非常に辛かった。 文面自体は、ChatGPTに書いてもらい、すぐに完成したが、送信ボタンを押すのが辛かった。 少なくとも数年、長ければ生涯働く可能性のある会社を今、この瞬間決めるという重い決断(自分はそう思ってる)をしていいのかという葛藤は10分ほどありました。 おそらくこれに関しては、どの会社に受かったところで抱く感情だと思います。 メールの送信ボタン1つに自分の人生の重みを実感しました。
やっておいてよかったこと
自己紹介、研究紹介、趣味開発を紹介するスライドをそれぞれ作っておくと良いと思います。 自分の場合、それぞれ1枚、2枚、2枚スライドを作成し、10分弱で説明できるようにしておきました。 もし時間に余裕があるなら、自分が興味ある分野や細々とした成果物を載せられるだけ載せておいた方が良いと思います。 自分はNeRFのスライドを載せたら、実際に1回だけ使う機会があり、備えあれば憂いなしとはこのことなんだなと実感しました。 特に面接官から振られた話題に対して、「その話題に関連したスライドがあるので、それを使いながら説明していいですか?」と言える時点で、面接官は「お、こいつできる学生じゃん」と思わせられます(多分)。
趣味開発も兼ねてHugoを用いてポートフォリオサイトも作成しました。 Markdownで文章を書くことができるので、非常に便利です。 ポートフォリオサイトを作っておくと、おそらく技術力は最低限あると思われるので、エントリーシートが通りやすくなると思います(そんな気がする)。
またChatGPTによる志望動機の添削は、良い文章を書くためには必須だと思います(多分みんなやってると思うし、禁止されてないし)。
またLabBaseにはお世話になりました。
他にやったこととして、複数の企業の説明を同時に聞ける合同説明会にも行ったことである。 視野を広げると言う意味では必要だった時間だと思う。 しかしどの企業も正直しっくりこなかったし、自分で企業を探した方が良かったと思いました。 ただし、こう言えるのも、一度は合同説明会に行ったからであり、後戻りのしにくい決断をするためには、ひたすら情報収集に徹するべきだと思います。
参考になった記事と本
上から順に自分が参考になったコンテンツを並べていこうと思います。
先ほど紹介したAWSのブログ、エピソードの語り方に関してはこの記事が参考になります。
就活ですぐ役立つか分からないけれど、自分の人生にどのように向き合うべきか考えさせられた本です。
面接中どのように振る舞えばいいか参考になりました。 直接面識があるわけではないが、自分の高校のOBらしいので、いつか会ってみたいです。
情報系の学生が就活をするにあたってどのような心構えで望めばいいのかは、これらの記事を参考にしました。
キャリア論 speakerdeck.com
noteかhatenablogで気になる会社名で検索すると面白い情報が見つかるかもしれないです。
終わりに
選考の過程でフィードバックをくれる会社は非常に良い会社だと認識しました。 面接やインターンのフィードバックをもらうことで、自分でも気づいていなかった、言語化できていなかった自身の強みや弱みを知ることができてい非常に良かったです。 実際、面接官からフィードバックでもらった自身の強みとして、キャッチアップ能力が高いこと、相手の立場に立って考えられることを挙げてもらいました。 このようなこともあり、就活を経て自己肯定感爆上がりしました。 また就活を通して、自分が何をしたいのか、何のために生きるのかを再確認できました。
情報系の企業特有かもしれませんが、就活は全てオンラインで完結して、物理面接は結局1回もやりませんでした(内定通知書を取りに会社に行ったけど)。 また1回もスーツ着ませんでした。
研究を頑張ってきた自負がありましたが、研究内容を深く聞かれたところは、ことごとく落ちているので、若干落ち込みました。
この就活で得られた教訓としては、就活は企業とのマッチング、一期一会の出会い、落とされても、この会社とは馬が合わなかったんだなと思い切る心構えが必要だと思いました。 そもそも就活中の学生の心構えとしては、「この俺を落としただと?この企業は見る目ないな」というスタンスで臨むのがちょうどいいと思います。 自分はこの心持ちで選考に望んでいました。
最後になりますが、いつかこ就活している人がこの記事を読み、就活の参考にしてくれたら幸いです。